東大100名受かっていた時から変わっていない、今でも通用する教材・授業方法・進度を共有します。この伝統的なカリキュラムは、数々の生徒を東大や国立大学医学部などの名門大学に送り出してきた実績があります。
ラ・サールの授業の進め方の大枠は、
・黄チャート→教科書・教科書傍用問題集「オリジナル」→1対1対応の演習(東京出版)→重要問題集(数研出版)
・同時に5~7人ほどを黒板の前で解かせて→それを教員が添削・解説していくスタイル
このやり方は30年以上変わっていません。
30年以上変わらず、今でも通用する素晴らしいカリキュラムだと思います。
どのような教材をやっているのか?授業はどのように進むのか?義務自習ではどんなことをやっているのかなど、「塾要らずの勉強法」とはどのようなものか実体験をもとに詳しく解説していきたいと思います。
*なお、当ブログでは、「重要問題集」という表現は、一般的な意味ではなく、ここでは数研出版の教材「重要問題集」を指しています。同様に、「1対1対応の演習」という表現も、一般的な意味とは異なり、東京出版の教材「1対1対応の演習」を指しています。
まず、東大受験・医学部受験において黄チャートを効果的に活用するための勉強法を共有します。
数学学習の基本1:黄チャートからのスタート
数学は、新高1にはチャート式 解法と演習 数学Ⅰ+A(通称・黄チャートⅠ+A)を買うように指示があります
「黄チャートⅠ+Aの全ての範囲」が入学後すぐに行われる考査の範囲です。
https://www.amazon.co.jp/dp/4410107178/
新課程 チャート式 解法と演習 数学I+A|チャート式の数研出版
黄チャートで予習が必要な理由と授業での活用方法
黄チャートをこなしたうえで数研出版の教科書と教科書傍用問題集「オリジナル」を授業でやります。数学学習の基本2:傍用問題集で解法パターンを演習+増やす
教科書と「オリジナル」は解答解説が略解しかないので、授業ではこれを5~7人に一度に当て、同時に黒板の前で問題を解かせます。そのため、予習として黄チャートで解法を暗記しておく必要があります。
なぜなら、黄チャートで解法暗記をしていないと、黒板に何も書けなくなってしまい、恥ずかしい思いをすることになるため、黄チャートで予習が必要なのです。
入学前に黄チャートをやる指示があるように、チャートの解法暗記は自分で行う必要があります。
義務自習でもチャートの解法暗記は自分で行う必要がありますので、入学までの間にチャートを1問でも多く暗記しておきましょう。
また、青チャートでなくて大丈夫かと思われる方もいると思いますが、黄チャートでインプット後に並行してオリジナルで補っていくので、解法暗記の量としては黄チャート+オリジナルで十分で、黄チャートとオリジナルを完璧にすれば、青チャートはやらなくても個人的には十分と思いました。
また、1990年代以前から黄チャートが使われておりましたので、個人的には黄チャートで問題ないと思いますが、教員の好みで青チャートにすることもあるようです(なお、新課程では「オリジナル」が無くなっており、最もレベルの高い傍用問題集は「4STEP」となっています)。
*新課程にともない「4STEP」と黄チャート以外のチャート式が採用された場合は、採用された色のチャートを使用した後に、配布された傍用問題集「4STEP」も合わせてインプットしていくのが一番妥当で効率的だと思います。新課程の青チャートが、旧課程の黄チャートと同じレベルに易化していれば、新課程の青チャート+傍用問題集で同じ効果が見込まれます。
新課程 教科書傍用 4STEP 数学I|チャート式の数研出版
数学学習の基本3:黄チャート+傍用問題集で暗記した解法パターンを組み合わせて「1対1対応の演習」(東京出版)に取り組む
黄チャートに加え、教科書・傍用問題集「オリジナル」で解法パターンの暗記が一通り終わったら、その後で1対1対応の演習(東京出版)に繋ぎ、解法パターンの組み合わせで解ける問題の解法を暗記します。
*なお、当ブログでは、「1対1対応の演習」という表現を使用していますが、一般的な意味とは異なり、これは東京出版の教材のタイトルを指しています。
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黄チャートから1対1対応の演習(東京出版)に繋ぐのではなく、黄チャートのあとに傍用問題集を挟みます。ここが重要です。
黄チャートから1対1対応の演習に繋ぐのではありません。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11223656381上記URLのYahoo!知恵袋の質問で『ラサール高校では「黄チャート」を完璧にするように言われているそうですが「黄チャート」のレベルでは「一対一対応」に繋ぐのは難しいのではないでしょうか? 』とあるとおり、黄チャートからいきなり1対1対応の演習(東京出版)に繋ぐと考えられているようですが、実際は、黄チャートからいきなり1対1対応の演習(東京出版)に繋ぐのではなく、
1対1対応の演習(東京出版)へ繋ぐ前に傍用問題集でアウトプットを兼ねながら、解法パターンを増やした後に1対1対応の演習に繋ぐのです。
このカリキュラムは30年ほど変わっていません。
黄チャート、「オリジナル」、1対1対応の演習(東京出版)。
この軸は変わっていません。
週テストは、黄チャート・「オリジナル」・1対1対応の演習(東京出版)の問題の数字を変えたものが出ます。
解き方は同じで、数字を変えたものが出ますので、解説が載っている黄チャートや1対1対応の演習(東京出版)の例題・類題を覚えることが最優先事項です。
黄チャート・「オリジナル」・1対1対応の演習(東京出版)は例題の解き方を覚えるのです。
解き方を覚えましょう。考査・週テの数学は黄チャート・教科書傍用問題集「オリジナル」・1対1対応の演習(東京出版)・(週テからは)東大過去問の数字を変えたものがメインで出題されます。
これがラ・サールの週テストです。
このカリキュラムは変わってません。
一旦まとめます。
初めに戻りますが、とにかく春休みの間にチャート数Ⅰ+Aを一冊仕上げなければなりません。
何しろ入学後すぐ考査があります。
範囲はチャートⅠ+A一冊全てが範囲です。
チャートと教科書傍用問題集「オリジナル」と1対1対応の演習(東京出版)はいかなる考査でも繰り返し数字を変えて出題されます。
さらに学校が始まったら教科書と「オリジナル」が加えて出題されます。
黄チャート・教科書・オリジナルが一周するころに、1対1対応の演習(東京出版)に繋げます。
週テの課題としては、新数学演習まで出ることになります。なお、新数学演習は、週テの範囲として配布されるもので、週テには出題はされますが、授業で黒板で解かせたりはなかったと思います。
そのため、週テの範囲としては上記全てとなりますが、トップ層は全ての問題をこなしていました。
学習の軸はこのような形で進みます。
なお、高1では数Ⅰ+Aの範囲を黄チャート・教科書・オリジナル・1対1の教材が考査で何度も繰り返し出題されており、数Ⅰ+Aの完全に定着させることに主眼が置かれ、数Ⅱ+Bを先取りしてやることはありませんでした。
ただし、数学の得意な生徒が義務自習などで自発的に数Ⅱ+Bを先取りすることはありましたが、あくまで高1での考査範囲は数Ⅰ+Aでした。
夏休みの宿題は、進行中のチャート+教科書の問題全て+「オリジナル」(+教員の好みで適当な問題集)が課されます。
日数で割ると1日30題くらい暗記したものです。
シンプルですがそれがラ・サールのカリキュラム・ノウハウです。
公式の導出は大事ですが、まずは公式あてはめの黄チャートで解法パターンの暗記を高1になる前にこなしてください。
公式の導出などは、入学後に授業で教科書を使って行います。これを効率的に理解するために、まずは公式あてはめの黄チャートで解法パターンの暗記をしておくことが重要なのです。
何度も繰り返しますが、なぜチャートにこだわるかというと、チャートで解き方のパターンを覚えておかないと授業が意味不明になるからです。
ラ・サールの数学の授業では解答解説のない教科書傍用問題集「オリジナル」を何人か当てて同時に黒板に解かせそれを教員が解説して行きます
予習してないと恥をかくシステムです
そのため予習にあたるのがチャートでの解法暗記となるのです
東大100名以上受かってたときも黄チャートだったので個人的には青でなくても構わないと思いますが、解答と解説の載っているチャートで解法を暗記するのです
チャートの暗記が授業の予習になるのです
黄チャート→教科書傍用問題集「オリジナル」→1対1対応の演習(東京出版)の軸は忘れないでください
並行して過去問演習も行うことになりますが、教科書傍用問題集「オリジナル」と同じやり方で
数研出版の重要問題集を使用します。
最新版だと「新課程 2024 実戦 数学重要問題集 数学I・II・III・A・B・C 理系」「新課程 実戦 数学重要問題集 数学I・II・A・B・C〔ベクトル〕 文系」になります。
新課程 2024 実戦 数学重要問題集 数学I・II・III・A・B・C(理系)|チャート式の数研出版
これも同時に複数人を当てて、黒板の前で解かせ、それを教員が添削していく授業スタイルです。
これが過去問演習の授業に当たります。週テの範囲にもあります。
教科書傍用問題集「オリジナル」「重要問題集」は解説が薄いため、授業で理解する必要があります
そのための予習として、解説のしっかりした「黄チャート」「1対1対応の演習(東京出版)」で解法パターンを覚えてください
そうしないと授業で「教科書傍用問題集「オリジナル」」「重要問題集」のアウトプットがうまく理解できなくなってしまいます
また、教員によって差があると思いますが、週テストの成績優秀者の何人かは点数が共有されます
これで成績がいい人がわかるシステムなので、モチベーションにつなげたり、わからないことを聞きに行ったりするといいでしょう
高校生同士なのでプライドもあり難しいところですが、週テストの成績優秀者の上位数人の点数が共有されるというのは、上記の「モチベーションにつなげたり、わからないことを聞きに行ったりするといいでしょう」という学校側の暗黙のメッセージだと思われます
夏休みの宿題では数Ⅰ+Aは三角比や整数までは必ず出るので、1問でも多く暗記する必要があります。
入学前に課していることからもおわかりのように、理解よりも解法の暗記を求められます。
理解して暗記がベストなのは言うまでもありませんが。
「1対1対応の演習」は、適当なタイミングで学校側から配られます。
それも週テで何回も数字を変えて出題されます。
先にチャートで解法を覚えてから演習を兼ねてやるため、時間差を設けて配布されます。
教科書傍用問題集「オリジナル」 は学校側から配られます。
なおこの書籍は解説が略解しかないため、暗記というよりアウトプットで使います。
授業で解かされるので、アウトプット用です。
いきなり「オリジナル」やることはできないため、黄チャートで解法のパターンを覚えてから取り組みます。
したがって、チャートでまず解法をインプットして、その知識をもとに教科書傍用問題集「オリジナル」を授業でアウトプットしていき、理解不足だった点を授業で浮き彫りにしてください。
チャートでインプットが不十分だと、当然、授業は消化不良になります。
春が大事なので、頑張ってください。
裏技として、親が教員なら教科書傍用問題集「オリジナル」の教授用資料が手に入ります。
市販されてませんが、メルカリ等で手に入るかもしれません。ただし高額で転売される代物だと思いますので購入はおすすめしません。
その教授用資料を入手すれば、授業で当てられても丸写しすればいいだけなので楽ができますが、その場しのぎにはなるものの、当然、身にはつきません。
教授用資料を見せてもらったことがありますが、市販の黄チャートの方がインプットには適している(覚えやすい)と感じました。
いずれにしても解法を覚えなければならないことには間違いありません。
高2になるとクラス分けがあります
高2になる前に理系か文系か分かれます
理系はA~C(D)、文系はD(E)~E(F)クラスになります
※()は、生徒数によってクラスが増減した場合
高2から高入生と交わることになります
部活があれば高1から高入と交わります
実際に仲良くなるのは文化祭あたりでしょうか
高2では数学2+Bの黄チャートが配られます
やり方は高1の時と同じです。数学Ⅰ+Aではなく数学Ⅱ+Bを同じ方法でやるのです
黄チャート→教科書・教科書傍用問題集「オリジナル」→1対1対応の演習(東京出版)→重要問題集です
理系だと数3Cまで高2で進みます
高2→高3になる際に、理系クラスに変更(理転)または文系クラスに変更(文転)ができます
高2で数学3Cまで進むことから、理転は不利です。文転はそこまで不利ではありません
文転する人数の方が多いです
理転する人は、親が医師で高2は文系に進んだが医学部に進路を変えた人などごく少数です
もっとも数学3Cの進度が違うだけなので挽回は十分可能です
(理転における単位制度などついては、私の期では実際にそうだったということです)
高2までは中間考査・期末考査・週テストがメインで模試は受けません。
受けるとしても年1回。模試を受けまくるのは高3になってからです。
それ以上は、受けたければ個人で受けられますが、個人で申込をしなければなりません。
高3になれば模試は中間考査・期末考査・週テストに加えて組み込まれます
したがって、高3はテスト三昧になります
数学でのインプット(黄チャート・1対1対応の演習(東京出版))は高2で終わります
高3はアウトプット(考査+週テ+模試)メイン+共通テストで使う科目ということになります
ここで注意してほしいことは高2でインプットが終わるため、高3になってからインプットする時間は義務自習や休日しかないということです
学校のカリキュラムでは高3はアウトプット期間なため、模試が返却されてもインプットしていると、返却されてきた模試を復習したりすることができません
高2までにインプットを終わらせている人は、高3はアウトプットを通じて弱点を見つけることができる一方で、インプット不足の人とどんどん差がついていきます
上記のカリキュラムにより、伸びる人は高3でも伸び(弱点を潰していけ)ますが、高2までにダメだった場合は模試の成績が芳しくないものばかり返ってくる(伸びない)ということです
夏休みですが、7月下旬に寮が閉鎖されるので強制的に帰省となります
8月のお盆すぎに8/20頃から午前中授業があります
中学3年生以上(高校生含む)は始業式(27日頃)の1週間前(20日頃)から午前授業が始まりますので、中1生・中2生よりも夏休みが1週間短いです。
午前中授業は普段の授業と変わりません
9月からは通常授業が開始されます
もちろん夏休み明けには宿題の範囲のテストがあります
(教科書傍用問題集「オリジナル」+1対1対応の演習(東京出版)+教諭の好みで適当な問題集)
ラ・サールの黒板が横に長いと思います
あれは演習で使うから長いのです
同時に7人くらい黒板に答えを書いていくのでそのため横に長いのです
黒板に問題を解かせ→それを教員が添削・解説していくスタイルは
数学と現代文で行っています
物理でもやってたかな?
黄チャートについては河野玄斗さんも似たようなことを言っていたので切り抜き貼っておきます
参考にしてください
河野玄斗氏もyoutube動画で黄チャートの効用を言及しているように、早めにやっておけば必ず後々楽になります。
ここの点は、ラ・サールと河野玄斗氏の勉強方法が完全に一致していますので参考にしてください。
河野氏が黄チャートを鬼のスケジューリングとして数Ⅰ+Aの1冊を1か月で回すことを提唱していますが、数Ⅰ+Aの1冊を1か月で回すスケジューリングは確かに妥当です。
なぜなら、ラ・サールでは春休みの宿題に出すくらいなので1か月で回していけます。
なお、ラ・サールのカリキュラム・授業ノウハウを共有しているだけで、今の使用している教材・授業方法・進度について否定するものではありません
ここでは、私は、東大100名受かってた時から変わっていない、今でも通用する教材・授業方法・進度をここに共有しています
ラ・サールの授業の進め方の大枠
・黄チャート→教科書・教科書傍用問題集「オリジナル」→1対1対応の演習(東京出版)→重要問題集
・同時に5~7人ほどを黒板の前で解かせて→それを教員が添削・解説していくスタイル
このやり方は変わっていません
当然、当時と比べて変化した教材もあります
(英単語帳がユメタンになったなど)
理転における単位制度などついては、私の期では実際にそうだったということです
高3まで模試は年1回で、それ以上は個人で申込む必要がありますが、
そもそも高1でアウトプットに重きを置いていないという含意を汲み取ってください
高1では、黄チャートⅠ+A→教科書・教科書傍用問題集「オリジナル」→1対1対応の演習(東京出版) これで解法を暗記していく段階です
古文漢文は、ごく普通の想像している授業と同じでした。
すなわち、教科書を読解していき、教師が解説する授業スタイルです。
古文漢文には、昭和から連綿と続いているような黄チャートのようなものはありません。
黄チャートや1対1対応の演習に比べると、英語や古文漢文の教材は新しいものの方が良いことが多いため、ラ・サールの教師がその時に採用している教材を使用してください。
市販のものと大差ありません。
なお、現代文については、数学と同様に黒板で同時に書かせて→教師が添削・解説する数学と同じ授業スタイルが確立していました。
素材は教科書や評論・小説のプリント、学校採用書籍の演習問題集(一般的な学校で配布されている問題集と大差ないと思います)ですが、設問は東大型の設問にして、やはり5~7問ずつ黒板の前で解答を書かせるのです。
その後、教師がその解答を添削し解説を行っていきます。東大型の演習をその場で添削してもらえるし、同じレベルの生徒の解答水準を見比べることが可能です。
古文漢文は、Z会の市販の問題集が週テストで課されたり、その延長線上に「最強の古文 読解と演習50」まで出題されることもありますが、私は非常に難しいなと感じました。
最後に
東大100名受かってた時から変わっていない、今でも通用する教材・授業方法・進度を共有しています。
ラ・サールの授業の進め方の大枠は、
・黄チャート→教科書・教科書傍用問題集「オリジナル」→1対1対応の演習(東京出版)→重要問題集
・同時に5~7人ほどを黒板の前で解かせて→それを教員が添削・解説していくスタイル
このやり方は30年以上変わっていません
このシステムは本当に素晴らしいので学校を信じて勉強を頑張ってください!!
参考になりましたら幸いです。