ラ・サールの勉強法・教材・授業

ラ・サールの指導方法!超名門校も実践している勉強法とは!?30年以上変わらぬ授業方法を公開!黄チャートから始めるラ・サール流勉強法・教材・授業を実体験をもとに詳細を解説します

ラ・サール流学習術:30年以上変わらぬ勉強法・教材・授業を共有

30年以上変わらない、ラ・サールの授業方法とその効果的な学習法を紹介します。

ラ・サールの勉強法は伝統的なカリキュラムであり、数々の生徒を東大・国立医学部など名門大学に送り出してきた実績があります。

基本的な進め方は、黄チャートから始まり、教科書や傍用問題集を使った演習とその解説までを含むスタイルです。
授業では、5〜7人の生徒が黒板の前で問題を解き、教員がそれを添削・解説していく形式を取ります。

この授業方法が30年以上変わらず通用する理由は、その効果が実証されているからです。
ここでは、その具体的な学習法を紹介します。

*なお、当ブログでは、「重要問題集」という表現は、一般的な意味ではなく、ここでは数研出版の教材「重要問題集」を指しています。同様に、「1対1対応の演習」という表現も、一般的な意味とは異なり、東京出版の教材「1対1対応の演習」を指しています。

 

1. 数学学習の基本1: 黄チャートからのスタート

数学学習の基礎となるのが、黄チャートです。
新高1に入学すると、チャート式 解法と演習 数学Ⅰ+A(通称・黄チャートⅠ+A)が必要とされます。
このチャートは、入学後すぐに行われる考査の範囲として指定されています。
黄チャートでの予習は必須です。春の学習が重要なので、頑張ってください。
授業では、教科書や問題集を使った演習が行われますが、その前提として、黄チャートでの予習が不可欠です。
入学前から分かるように、解法の暗記が重要視されます。もちろん、理解してから暗記するのが理想的ですが、暗記が必要不可欠です。

 

2. 数学学習の基本2: 傍用問題集で解法パターンを演習

教科書傍用問題集オリジナル」(数研出版)は、学校側から配布されます。
この書籍には解説が略解しか含まれていないため、暗記よりもアウトプットのために使用されます。授業で解かせるための教材です。

*黄チャートは自学自習で解法を暗記するための教材であり、授業に用いることはありません。

教科書や問題集には解答解説が簡略化されているため、授業では5〜7人の生徒が問題を解き、その解法を黒板の前で発表します。
予習が不十分だと、黒板に何も書けなくなってしまうため、生徒は恥をかくことになります。

このため、黄チャートで解法を予習しておく必要があります。
入学前に黄チャートを行う指示があるのも、そのためです。

「オリジナル」を直接行う前には、まず黄チャートで解法のパターンを覚えます。
したがって、チャートで解法をインプットし、その知識をもとに教科書傍用問題集「オリジナル」をアウトプットし、理解不足な点を授業で補う必要があります。
チャートでのインプットが不十分だと、授業は消化不良になります。

黄チャートで解き方のパターンを覚えないと、授業が理解できなくなることに加え、
授業では、教科書傍用問題集「オリジナル」を黒板で解かせ、教員が解説していきます。

裏技として、親が教員であれば、「オリジナル」の教授用資料を入手することができます。
ただし市販されておらず、高額で転売されることがあるため、購入はおすすめしません。
教授用資料を使えば、授業で当てられた問題を丸写しすることができますが、それは一時しのぎであり、本質的な理解は得られません。
教授用資料を見たことがありますが、市販の黄チャートの方がインプットに適していると感じました。
いずれにしても、解法を暗記する必要があります。

ラ・サールの黒板は横に長いですが、それは同時に多くの生徒が黒板に答えを書いていくためです。
このスタイルは、数学と現代文の授業で使用されています。

黄チャートと傍用問題集を使って解法パターンを増やしていきます。これにより、「1対1対応の演習(東京出版)」に備えます。

*なお、当ブログでは、「1対1対応の演習」という表現を使用していますが、一般的な意味とは異なり、これは東京出版の教材のタイトルを指しています。

3. 数学学習の基本3: 黄チャート+傍用問題集で暗記した解法パターンを組み合わせて1対1対応の演習(東京出版)に取り組む

黄チャートと傍用問題集で解法パターンを暗記した後は、「1対1対応の演習(東京出版)」に取り組みます。

「1対1対応の演習(東京出版)」は、適切なタイミングで学校側から配布されます。
考査や週テストでは何度も数字が変わって出題されます。
演習を行う前には、まず黄チャートで解法を覚え、その後演習を行うために時間差を設けて配布されます。

*「1対1対応の演習(東京出版)」は自学自習で解法を暗記するための教材であり、授業に用いることはありません。

考査や週テストでは、これらの問題の数字が変えられて出題されますが、解法は同じです。
そのため、黄チャートや教科書傍用問題集に加え「1対1対応の演習(東京出版)」での解法を十分に理解することが重要です。

 

4.考査・週テスト

考査や週テストでの問題の出題は、黄チャート、教科書傍用問題集「オリジナル」1対1対応の演習(東京出版)、重要問題集数研出版)、大過去問の中から、考査・週テストまでに進んだ範囲の問題の数字を変えて繰り返し出題されます。
解き方は同じで、数字を変えたものが出題されるため、解説が載っている黄チャートや1対1対応の演習(東京出版)の例題や類題を覚えることが最優先です。
黄チャート、1対1対応の演習(東京出版)は、自学自習で解法を覚えるための教材であり、授業では解説を行いません。
黄チャートや1対1対応の演習(東京出版)で解き方を覚えてから、授業で教科書傍用問題集「オリジナル」や重要問題集(数研出版)に取り組みます。
週テストの課題には、新数学演習や東大過去問も含まれます。ただし、これは授業で黒板で解かせることはないかもしれませんが、範囲は週テストに出題されます。

これがラ・サールの考査・週テストのカリキュラムです。このカリキュラムは変わっていません。
教員によって異なるかもしれませんが、週テストの成績優秀者の点数は共有されます。
これは、モチベーションを高めたり、理解が不足している部分を補うための暗黙のメッセージです。


5.長期休暇(夏休み、冬休み)

長期休暇の宿題は、進行中のチャートや教科書の問題全てに加えて、傍用問題集「オリジナル」や「1対1対応の演習(東京出版)」、教員が適当とする問題集も含まれます。
これらの問題を1日30題程度暗記する必要があります。
夏休みは、寮が7月下旬に閉鎖されるため、強制的に帰省となります。
8月のお盆を過ぎた頃から午前中に授業がありますが、通常の授業と同様です。
9月からは通常の授業が再開されます。もちろん、夏休み明けには宿題の範囲のテストがあります。

6.高2の過ごし方

高2になると、クラス分けが行われます。高2に入る前に、理系か文系かが決まります。
理系はA~C(D)、文系はD(E)~E(F)クラスになります。志望者の関係で、文系は1クラスになることもあるようです。

高2からは、高入生と交流する機会が増えます。
部活がある場合は、高1から高入生と交流します。実際に仲良くなるのは文化祭あたりです。

高2では、数学Ⅱ+Bの黄チャートが配布されます。
方法は高1と同じです。数学Ⅰ+Aではなく、数学Ⅱ+Bを同じ方法で学習します。
黄チャート→教科書・教科書傍用問題集「オリジナル」→1対1対応の演習(東京出版)→重要問題集(数研出版)が学習の流れです。
理系の場合、数Ⅲ+Cまで進みます。

高2までは中間考査期末考査・週テストが主なテストであり、模試は受けません。模試を受ける場合も年1回です。
模試を受けることは高3になってからが主となります。個人で模試を受ける場合は申し込みが必要です。

7.高3の過ごし方

高2→高3に移る際には、理系クラスへの変更(理転)または文系クラスへの変更(文転)が可能です。
数学Ⅲ+Cまで進むことから、理転は不利ですが、文転はそれほど不利ではありません。
文転する生徒の方が多いです。
理転する生徒は、例えば親が医師で、高2で文系に進学したが医学部進学を目指す場合などがごく少数です。
数学Ⅲ+Cの進度の差があるだけで、挽回は十分可能です。
(理転における単位制度などついては、私の期では実際にそうだったということです)

高3になると、模試が中間考査期末考査・週テストに加えて組み込まれます。
したがって、高3はテストが多くなります。
数学のインプット(黄チャート・1対1対応の演習(東京出版))は高2までに終わります。
高3は、共通テストにのみ使用される科目(理系なら社会、文系なら理科)以外はアウトプット(考査+週テスト+模試)メインとなります。

高2までにインプットを終えている生徒は、高3ではアウトプットを通じて弱点を見つけることができますが、インプット不足の生徒との差が広がります。
このカリキュラムにより、伸びる生徒は高3でも伸び、逆に高2までに不十分な成績だった生徒は、模試の成績が芳しくない結果となります。

 

ラ・サールのカリキュラムはシンプルですが効果的です。

ラ・サールの学習法は、30年以上変わらず有効性を保ち続けています。
黄チャートから始まり、傍用問題集を経て演習に至る流れは、今も多くの受験生にとって確かな学習法として機能しています。

このカリキュラムは本当に素晴らしいので学校を信じて勉強を頑張ってください。

参考になりましたら幸いです。